幸せな仕事に関する実態調査 2022
現在の「仕事に対する幸せ度」、最も低いのは"Z世代"
若い世代ほど「仕事に対する幸せ度」が低く、Z 世代は[26.5%]、片やバブル世代は[41.0%]
働く10~50代の男女・合計800名を対象に<2022年度 幸せな仕事に関する実態調査>を実施しました。
< 調査結果サマリー >
①働く10~50代の男女に聞いた「仕事に対する幸せ度」
☑「仕事に対する幸せ度」平均点は約60点
☑そのうち「幸せ度80点以上(=幸せな仕事に就いている)」は約3割
現在の「仕事に対する幸せ度」を100満点で評価すると平均点は60.1点。そのうち、特に仕事に対して幸せを感じている「幸 せ度80点以上の人々(=幸せな仕事に就いている人々)」の割合は約3割。また、「幸せ度が平均点以下の人々」からは「年功 序列の風潮」「セクハラ発言」「給与が上がらない」などの声も。
②世代別・婚姻状況・男女別の割合
☑ 「幸せ度 80 点以上」、最も少ないのは「Z 世代」、「バブル世代」と比較して 14%以上も低い
若い世代ほど「幸せ度80点以上の人々(=幸せな仕事に就いている人々)」の割合が少なく、「Z世代」は僅か26.5%と判明。 最も割合の多い「バブル世代」では41.0%と、世代間で14ポイント以上の差が付く結果に。
③仕事に対する幸せ度と金銭事情
☑今夏ボーナス見込み、平均は"給与2.7か月分"
☑「80点以上の人々」と「平均点以下の人々」では、ボーナス支給額に給与0.8か月分差が
今年の夏季ボーナスの見込み額の全体平均は「給与2.7か月分」。「80点以上の人々/給与3.3か月分」に対し、「平均点以 下の人々/給与2.5か月分」と、約0.8か月分の差に。
④『マズローの6段階欲求説』を元に幸せな仕事を定義すると
☑現代における「幸せな仕事(職場)の条件」は、「社会的欲求」が満たされていること!?
☑「現在満たされている欲求」、全段階においてZ世代が最も低く、バブル世代が最も高い
「80点以上の人々」と「平均点以下の人々」へ「現在の仕事において満たされていること」を調査したところ、『マズローの6段 階欲求説』において「社会的欲求」に当たる項目への回答にギャップが生じる結果に。また、6段階欲求全ての「満たされている 割合」について、全世代の中でZ世代の平均値が最も低く、バブル世代が最も高いとの結果に。
< 調査概要 >
[調査方法]インターネット調査 [調査時期]2022年4月28日~5月1日 [調査機関]シグナルリサーチ
[調査対象]働く10代から50代の男女 計800名 性年代均等割付
★Z世代:18~26歳/ミレニアル世代:27~42歳/氷河期世代:43~51歳/バブル世代:52~57歳、各200名
①働く10~50代の男女に聞いた「仕事に対する幸せ度」
☑「仕事に対する幸せ度」平均点は約60点
☑そのうち「幸せ度80点以上(=幸せな仕事に就いている)」は約3割
最高値100点として、現在の「仕事に対する幸せ度」を全対象者に伺ったところ、平均点は60.1点との結果になっ た。そのうち、「幸せ度80点以上の人々(=幸せな仕事に就いている人々)」は約3割だった。
さらに「幸せ度80点以上の人々」の「その仕事が幸せと感じる理由」を確認したところ、以下の通り<各自のライフス タイルに合った働き方を実現していること>を挙げる声があった。
56歳・男性 バブル世代 |
休暇を取りやすく、家族サービスに時間を割きやすい環境である。 |
45歳・女性 氷河期世代 |
有給も取りやすく、残業もないので、家庭との両立や自分の時間を持てる。 |
一方、幸せ度が平均である60.1点を下回った「幸せ度が平均点以下の人々」の、「その仕事が幸せと感じることがで きない理由」を確認したところ、以下のような声が挙がった。
32歳・男性 ミレニアル世代 |
正当な評価をされているのか分からない。 |
25歳・女性 Z世代 |
年功序列の風潮が強く、セクハラ発言も気になる。給与もなかなか上がらない。 |
②世代別・婚姻状況・男女別の割合
☑ 「幸せ度 80 点以上」、最も少ないのは「Z 世代」、「バブル世代」と比較して 14%以上も低い
世代別に「幸せ度80点以上の人々(=幸せな仕事に就いている人々)」の割合を比較すると、最も少ないのは「Z世代(26.5%)」との結果に。次に「ミレニアル世代(29.0%)」、「氷河期世代(32.0%)」、「バブル世代(41.0%)」と続き、現在の仕事に対して、若い世代ほど「幸せな仕事に就いている人々」が少ないことが判明した。
さらに、同様の回答結果を婚姻状況別に比較すると「幸せ度80点以上」と回答した人の割合は、「既婚者:42.9%」、「未婚者:24.3%」と18.6ポイントの差が生じ、既婚者の方が仕事に対する幸せ度が高いという結果に。
一方、性別では「男性:32.0%」、「女性:32.3%」となり、男女間では大きな差はみられないことが分かった。
③仕事に対する幸せ度と金銭事情
☑今夏ボーナス見込み、平均は"給与2.7か月分"
☑「80点以上の人々」と「平均点以下の人々」では、ボーナス支給額に給与0.8か月分差が
全対象者に対して『今年の夏季のボーナス、見込み支給額』を尋ねたところ、平均額は「給与2.7ヶ月分」となった。また、夏季ボーナスの支給額において「幸せ度80点以上の人々(=幸せな仕事に就いている人々)」と「幸せ度が平均点以下の人々」で比較すると、「幸せ度80点以上の人々:給与3.3ヶ月分」、「幸せ度が平均点以下の人々:給与2.5ヶ月分」となり、ボーナスの支給額に給与0.8ヶ月分の差がある結果となった。
④『マズローの6段階欲求説』を元に幸せな仕事を定義すると
☑現代における「幸せな仕事(職場)の条件」は、「社会的欲求」が満たされていること!?
☑「現在満たされている欲求」、全段階においてZ世代が最も低く、バブル世代が最も高い
「80点以上の人々」と「平均点以下の人々」へ「現在の仕事において満たされていること」を調査したところ、『マズローの6段 階欲求説』において「社会的欲求」に当たる項目への回答にギャップが生じる結果に。また、6段階欲求全ての「満たされている 割合」について、全世代の中でZ世代の平均値が最も低く、バブル世代が最も高いとの結果に。
欲求種 | 段階 | 幸せな仕事(職場)に求められるであろう要素12項目 | |
---|---|---|---|
自己超越欲求 | 6 | 自分の仕事で、世界の平和や安定に貢献・寄与する | ボランティア活動などができる(推奨される)制度・社風がある |
自己実現欲求 | 5 | 自身の能力を最大限発揮して、勤務先(事業)に貢献する | 給与や社内評価よりも、自身の理想の姿を実現するために働く |
承認欲求 | 4 | 上司から認められたり、社内表彰をされたりする | 業績を挙げれば、昇進・昇格できる制度がある |
社会的欲求 | 3 | 頼れる仲間、理解のある上司、認めてくれる家族がいる | 勤務先の中で自分の居場所を確保できている |
安全欲求 | 2 | 給与が毎月決まった日に振り込まれる | 倒産や買収、あるいは解雇される不安がない |
生理的欲求 | 1 | 十分な睡眠、休息が取れる労働環境である | 十分な食事など、基本的な生活を不満なく送ることができる給与である |
『仕事において現在満たされている項目』に関し、「幸せ度80点以上の人々」と「幸せ度が平均点以下の人々」の差異を確認したところ、ポイントに大きな差が生じた項目TOP3は以下の通り
現在満たされている項目 | 回答割合 | 差異 | ||
---|---|---|---|---|
80点以上の人々 | 平均点以下の人々 | |||
1位 | 頼れる仲間、理解のある上司、認めてくれる家族がいる 【社会的欲求:段階3】 |
44.0% | 18.7% | 25.3% |
2位 | 勤務先の中で自分の居場所を確保できている 【社会的欲求:段階3】 |
51.4% | 28.8% | 22.6% |
3位 | 十分な睡眠、休息が取れる労働環境である 【生理的欲求:段階1】 |
61.1% | 40.9% | 20.2% |
また、全対象者に『仕事において今後(も)満たしたい項目』を尋ねたところ、以下の通り【生理的欲求:段階1】、【安全的欲求:段階2】にあたる要素が上位を占める結果となった。
今後も満たしたい項目 | 回答割合 | |
---|---|---|
1位 | 十分な睡眠、休息が取れる労働環境である 【生理的欲求:段階1】 |
62.9% |
2位 | 給与が毎月決まった日に振り込まれる 【安全欲求:段階2】 |
56.9% |
3位 | 十分な食事など、基本的な生活を不満なく送ることができる給与である 【生理的欲求:段階1】 |
50.0% |
4位 | 倒産や買収、あるいは解雇される不安がない 【安全欲求:段階2】 |
35.3% |
このことから、現代における"幸せな仕事"(職場)を「マズローの6段階欲求説」に基づいて定義すると【生理的欲求:段階1】、【安全的欲求:段階2】が満たされていることが前提に、さらに【社会的欲求:段階3】が満たされているか否かがポイントとなることが分かった。
集団※への帰属や愛情を求める欲求であり、「帰属欲求」とも表現される。何らかの社会や集団に属することで「安心感を得たいという」欲求が、我々人間には有ると言われる。
※集団:今回の調査では勤務先や仕事場(仕事仲間の集団)など
また、6段階欲求全ての「現在の仕事において満たされている割合」について、全世代の中でZ世代の平均値が最も低く、バブル世代が最も高いとの結果に。
欲求種 | 段階 | 平均値/現在の仕事において満たされている割合 | ||
---|---|---|---|---|
Z世代(18~26歳) | バブル世代(52~57歳) | 差異 | ||
自己超越欲求 | 6 | 56.9% | 73.8% | 16.9% |
自己実現欲求 | 5 | 65.6% | 70.9% | 5.3% |
承認欲求 | 4 | 56.3% | 68.6% | 12.3% |
社会的欲求 | 3 | 63.7% | 68.0% | 4.3% |
安全欲求 | 2 | 57.2% | 62.8% | 5.6% |
生理的欲求 | 1 | 62.0% | 69.8% | 7.8% |
この<幸せな仕事に関する実態調査>から、『幸せな仕事に就いている人(=幸せ度80点以上)の割合』も、『仕事上で満たされている欲求割合』も、総じてZ世代が低く、バブル世代が高いことが判明。
幸せな仕事総合研究所では、より多くの方が「幸せな仕事」に従事できるように、今後とも様々な調査や社会啓発活動を進めていきます。
本調査結果や分析をご掲載の際は 『株式会社オープンアップグループ調べ』 と明記ください。