クーデターにより帰国困難なミャンマー人の受入/(株)ビーネックスパートナーズ

お知らせ

クーデターの影響により、日本に来た多くのミャンマー人が帰国をとりやめ、引き続き日本で就労することを希望されています。こうした中、当社グループである製造業のビーネックスパートナーズ(以下、BNP)では、技能実習生のミャンマーの方々に新たな仕事をご紹介することで、彼等の生活をサポートしています。

今回はBNP所属のミャンマー人のお二人、そしてお二人を支えるBNP横浜支店の社員にお話を聞きました。

Pさん(左)とNさん
Pさん(左)とNさん

●日本に来たのはいつですか?
Nさん: 二人とも2019年から来日していて、現在4年目になります。

●ミャンマーではどんなお仕事をしていましたか?
Nさん: 私もPさんも、ミャンマーで農業を営んでいました。しかし2021年2月にクーデターが起きて以降、ミャンマー国外へ出稼ぎをしたほうが、家族のためになるのではと考えるようになりました。

●働く先として、日本を選んだのはどうしてでしょう。
Pさん: 日本は偉い国だからです。技能実習生として来日するには非常に条件が厳しい。選ばれた人しか来られないから、偉い国です。それに私たちは車が好きで、車の技術が高い日本へぜひ来たいと思っていました。

●現在の企業に配属される前は、どこで働いていましたか?
Nさん: 二人とも技能実習生として3年間、日本の機械工場や段ボールをつくる工場で働いていました。

●ミャンマーに帰国できなくなった経緯を教えてください。
Pさん: 技能実習期間を満了したら、帰国するつもりでいました。しかしミャンマー国内の情勢を考えたとき、日本に残って仕事をするほうが生計を立てるのに有利と思い、残ることを決めました。技能実習生としてのビザはもう使えなくなるため、日本政府が緊急措置として発行した「特定活動ビザ」を取得しました。

─BNP横浜支店社員より─

●どういった経緯でお二人がBNPに?
人材紹介会社から、BNP横浜支店へ「特定活動ビザの方の受け入れは可能か」と相談が来たことがきっかけです。

本来、特定活動ビザは留学生や研究者、アーティストなど、外国人が専門的な目的で訪れるときに発行されるものです。弊社は製造現場への人材派遣業ですから、もちろん特定活動ビザの方を採用したことはありません。

今回は、ミャンマー情勢に鑑みた政府の特例措置でビザが発行されているため、採用自体は可能です。ただ「不慣れなことでスムーズにアテンドできない可能性がある」「前例がなく、社内手続きが非常に煩雑」といった懸念があり、はじめはお断りするつもりでいました。

しかし、改めて<幸せな仕事を通じて ひとりひとりの可能性をひらく社会に>という自社グループが掲げているパーパスを考えたとき、「国籍に関わらず、働きたい意欲を持つ方の可能性をひらきたい」「今こそ、幸せな仕事を提供できる機会ではないか」と思うようになりました。

●慣例にとらわれず、パーパスに基づいて判断されたのですね。
はい。その思いは支店メンバー全員が一致していました。そこで「ダメもとで良いから、交渉してみよう」ということになったのです。入国管理局に問合せ、事情を説明し「当社で受け入れさせてほしい」と頼みました。その結果、「受入可能」との回答をいただき、社内でも無事許可がおりました。

BNPからこの企業に派遣されている仲間の中には、同じような境遇のミャンマー人が23人含まれています。「こんなに良いところで就業ができて嬉しい。ありがとうございます」と数人の方がわざわざお礼を言いに来られたくらい、皆さん喜んでおられます。

2023年の社内表彰で、MVT(Most Valuable Team)表彰を受けた横浜支店
2023年の社内表彰で、MVT(Most Valuable Team)表彰を受けた横浜支店

●他にはどんな国の方がいますか?
Pさん: セネガル、イラク、インドネシア、スリランカなどです。みんな良い人だけど、スリランカ人は特に優しくてフレンドリーだから好き(笑)
Nさん: 私も(笑)色んな国の人がいて、お互いに片言の日本語でコミュニケーションをとるので、慣れるまでは意思疎通が大変でした!

●派遣先企業ではどんな業務に就いていますか?
Pさん: 小型トラックの車体にラジエーターを組みつける作業です。1日に約200台分行っています。
Nさん: 大型トラックに載せるエンジンの組み立てラインで、必要な部品をピッキングしています。ラインには1台ごとに違う車種が流れてくるので必要な部品を覚えておき、数百種の部品の中から正確にピッキングすることが求められます。

●仕事で楽しいことは?
Nさん: 元々、車が好きなので、自分の関心が高いことに携われるのが純粋に嬉しいです。
Pさん: 私も車好きだから仕事は面白いです。自分の車は持っていませんが...。
Nさん: 仕事を頑張って、いつか車を買いたいね。私は3台くらい欲しいよ(笑)

─BNP横浜支店社員より─

Pさんは明るく人懐っこい性格で、皆から慕われています。Nさんは真面目だから、24歳と若いけど信頼されていますね。

BNPの社員と

●BNPからのサポートはどうですか?
Pさん: まず仕事を用意してもらえること自体が、有難いです。外国人だと、探すのも大変ですから。特に今回は急いで仕事を探していたので、スピーディーに就業開始できたことが良かったです。
Nさん: 就業手続きも、全てBNPが主導で進めてくれるから安心でした。また担当の人とのコミュニケーションも、とてもスムーズです。

─BNP横浜支店社員より─

支店メンバーそれぞれが「幸せな仕事を実現しよう」という想いのもと、自身の特性を生かし、外国の求職者様や就業者様と向き合っている結果だと思います。
例えば、英語のスキルを生かして外国の求職者に説明をする社員もいれば、日本語の苦手な方でも理解しやすいよう丁寧に時間をかけてご案内する社員もいます。

●ご家族は今どうしていますか?
Pさん: 家族は皆ミャンマーに住んでいるので、今は二人とも月に数万円ずつ仕送りしています。

●将来の展望は?
Nさん: 日本人になりたい。条件は厳しいですが、いつか日本国籍をとりたいです。

BNPの社員と

─BNP横浜支店社員より─

PさんとNさんは、一家の稼ぎ頭というわけですね。お二人が就業を継続できるよう、BNPではこれからもしっかりとサポートしていきます!